記憶に残る中華料理の数々。特別なハレの日にこそ大事な人と行きたいお店 東京銀座 「涵梅舫(かんめいほう) 銀座店」
先日、ご招待いただいて、銀座の中華料理屋さんにお伺いしました。中華料理は、子供のころから神戸の中華街。学生時代も中国のお友達が多かったし、特別な日の中華料理なども何度か経験してきて、横浜に来てからも週一で中華街にいったり何かと中華料理は身近に感じていた私ですが、ほんとびっくりすることの連続でした。
会の名前は「中国料理の味と技、美と健康の盛宴 美食会2015」 主催は、何かとご縁がありお世話になったのに実際にお会いできる日には私が体調を崩したりでお会いしたかった中国食文化研究所所長の中西純一さんです。
[amazonjs asin=”4757150512″ locale=”JP” title=”本当に美味しい中国料理が食べたい”]
お店は東京の別のところから銀座にお引越ししてきた、涵梅舫(かんめいほう)さん。
それはそれは目で楽しんで、舌で楽しみ、記憶に味と一緒に強烈なインパクトと思い出を一緒に閉じ込めてくれるような贅沢な時間でした。
もともと中国の宮廷料理は、お客さんおもてなしするお料理で、その時のゲストの年齢や好みや環境に合わせてメニューを組み込まれおもてなしをするそうで、例えば同じ名前のメニューを頼んだとしてもその頼んだ人に合わせた内容になるそうです。
今回いただいたメニューも、人数に合わせて特別に作っていただいたコースで普段は別のコースがあるようです。今回はお値段一人2万円相当だそうです。
少しお値段は張りますが、ハレの日、特別の日、大事な人との人生の節目など・・何年たっても記憶に残したいような大事なお食事にぜひぜひおすすめしたいです。
お店に相談してその人に会ったその場にふさわしいメニューを作ってくださるそうです。そう思えばこのお値段・・・そうお高くないと思います。
私達がこの日いただいたメニューをざっとご紹介させていただこうと思います。
藝術彩拼 宮廷風前菜の盛り合わせ
龍須牛肉、芝麻藕絲、蘭莓山葯、芥茉白菜、薄荷核桃、叉焼・・・とメニューを見ていたので何が出てくるのか予想はしていたものの・・一皿目からびっくり。同席した方々ももう口々に話が弾みました。もったいなくてきれいで繊細で・・。杏仁豆腐歩く見えたのは山芋だそう。一つ一つは味が甘かったり、酸っぱかったり、辛かったり・・一皿目から目も舌も刺激されました。
菊花豆腐 特製豆腐入りサメの唇スープ
このお花みたいになってるの、お豆腐なんですよ。包丁を入れてこんな風にやわらかいお豆腐を細工しているんです。びっくりです。つるんとした鮫の唇も初めて食べましたが口当たりが良くてなんだかお肌によさそう。スープも見た目はシンプルですが、アヒル・金華ハム・貝・・などなどから取ったスープでこちらのお店の味の素になっているスープなんだそうですよ。
黄燜魚趐 宮廷風フカヒレ姿煮込み
実は・・フカヒレは好きなんですが、姿煮の分厚いのを頬張って生臭かったことがあってそれ以来「姿煮」は警戒するんですが、その今まで食べたどれよりも分厚く恐る恐る口にしてびっくり。生臭さなんてまったくなくて、口の中でほどけて濃厚なスープも塊で見せていただきましたが先ほどのスープがもとになっていてコラーゲンの塊・・。
黒椒鹿肉 鹿肉黒胡椒炒め
鹿のお肉も、クリスマスなどにお店で食べたことがある程度の知識ですが、もっともっと獣っぽい味がした気がします。ほんとお箸でも切れるくらいでも口の中でしっかりお肉らしい味がして美味しかったです。
蟹粉尤魚蛋 蟹味噌入りイカ玉子姿煮
これ・・出てくるまでに中西さんが「どんなお料理が出てくるか文字から想像してみるのも楽しみなんですよ」とイタズラっぽい笑顔をされていてみんなであーだこーだ。そして出てきてびっくり、なんか龍でてきた!!!
玉子って卵かーーー!いや・・コレ卵じゃない!イカだ!オレンジの龍が卵を炎で温めているイメージのもうお料理じゃないみたいなすごいのが出てきて、その卵が実はイカでできていて、中にカニ味噌が入っています。じーーーーーっとまじかで見てもゆで卵にしか見えませんでした。もちろんお味も、シンプルな中にカニみその旨みも出てお話も弾み楽しい一品でした。
灌湯龍蝦球 スープ入り海老団子唐揚げ
これ・・・どこにスープが?って思っていたら、小龍包のように中にスープが入っていて、ストローで中のスープを最初にいただくのですよ。もうここらへんから、お料理を食べているというか舞台を見ているような・・・他のテーブルのお客様まで巻き込んで、一気にみんなのテンションが・・・。見た目もすごいのに味もすごく繊細で、素材の味がして、中華料理の概念が飛んでいきます。
烏龍戯珠 ナマコとウズラ玉子煮込み
中華料理といえば・・のなまこも、こんなサイズ一人一個出てくるの初めて見ました。こちらは戻すのに何日もかかるので予約される方は一週間以上の余裕を持たれた方が良いそうです。
青梗菜・・・かわいいトリさんになっています。
このまたソースが美味しくて、きっとごはんにかけたら美味しいに違いないと話していたら、お店の方がご飯を・・・・。このあたりで少しお腹も膨れてきたのにもう我慢ができず私も「ご飯くださーーーい!」と。
炉肉火鍋 豚腹肉焼き、白菜の鍋物
もう・・驚きません。火鍋って私が知ってる火鍋じゃないモノがでてきても。火鍋=辛い鍋というのは本来は違うそうで、火にかけるお鍋で火鍋なんだそうですよ。
こちらも先ほどのスープがもとになっていて、ほんと・・残る少なくなったスープを下げようとするお店の方に「ちょっと待ってください。飲みます!!」という声が聞こえるほどです。
白菜も甘くて豚バラもあっさりしていて食が進みます。
揚州炒飯 えびこ、ハム、ナマコ、エビなど入り炒飯
チャーハンもナマコ入りと贅沢です。えびの卵が入っていたりと知っているチャーハンの安心する味なのにでも全然違う・・これ、ランチセットとかであったら食べたいなあと思うくらいでした。
宮廷点心 宮廷風点心の盛り合わせ
そして・・・もう・・どこをとっても絵になるこれ。歓声もあがりました。これはほんと実際に見ていただきたいです。ほんと繊細で一つ一つ味も違うし、可愛くてストーリー性があって、しばし鑑賞・・・・。
龍須麺のデザート
途中で龍須麺の実演を見せていただいてそれデザートにということで楽しみにしていたんですがまた想像と違う形で・・。からっと揚げられていて、そこにお砂糖を付けていただきます。コレ私好きです!!!
実演もほんと職人技ですね。
本当に驚きの連続でした。
おもてなしするお料理というのにも納得です。日本料理を食べなれている私達にも安心する知っている味だったり、龍須麺は韓国のお菓子にも通じるものがあるし、やっぱり中国ってすごいなあと思いました。最後に店主のチョウさんが、ご挨拶されたのですがその時に「日本の方が、中国料理=脂っこいとひとくくりにしてしまうことが、中国人としてそれが悲しい」とおっしゃっていて、思わずこれだけのお料理を前にした数時間を思い返すとなぜだかグッときてしまった私です。
日本料理といっても、沖縄から北海道まで全然味が違うように、中国なんてもっともっともっと大きな国で言葉もいくつかあるように、それぞれの文化や味があり。もちろん韓国料理、ベトナム料理、タイ料理・・他の国のお料理もそうだと思います。固まってしまったイメージをゼロにして、食から入ってもっともっと、色んな国の「美味しい」をその国の方と一緒に教わりたいなあと思いました。
本当にごちそうさまでした。食まわりの文化のお話などもたくさんお聞きして、「美味しい」「すごい」「びっくりした!」そしてなんだかそれ以上に、いろんなことを教わった気がしました。
涵梅舫 銀座店 (中華料理 / 銀座一丁目駅、有楽町駅、銀座駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0