1月17日はどんなに時間がたっても忘れない日。

今年もこの日がやってきました。
1995年(平成7年)1月17日(火)阪神・淡路大震災。
私は、兵庫県芦屋市で被災をしました。

今日だけはこのことを書かせてくださいね。

私の住んでいた清水町とそして2号線を挟んだ津知町は倒壊率が100%に限りなく近くお隣の前田町も90%を超えていたそうです。もちろんマンションもありました。

成人式を迎えた2日後。

大好きな町は一瞬音をなくし、そして色をなくしました。

28時間ぶりの崩れたマンションの1階から助け出された祖母も数年前に亡くなり、
大阪へ数年間引っ越し、実家は芦屋に戻った1年後私は横浜にお嫁に来てもう8年。

それでも昨日のように覚えてます。

誰かが家を持ってぶんぶん振り回しているような感覚。聞いたことのない内容な大きな音
ぐるんぐるんまわる釣り下がった電気。
川の字で寝ていた私たち家族ですが母を体を挺して守った父。
そして家が崩れる音。(1階が完全につぶれて2階がお隣の庭にあった柿の木においかぶさった状態で止まりました)
近所のよく知るおばさんの助けを求める声。
ホコリっぽい風景。
きなくささ。
パチパチと燃える音。
ヘリコプターの爆音。

28時間ぶりに崩れたマンションの1階から奇跡的にほぼ無傷で助け出された祖母
救急車に駆け寄る私を押しのけたカメラマンの腕。

一瞬でマンションが崩れたので何が起きたかわからなかった祖母だけれど、
お隣の家族が一人また一人と励ましあう声が聞こえなくなっていくのを救助されたんだと思っていたこと。

ずっと1階で助かったのは祖母一人だと消防の方にも聞かされていたのですが、偶然今年そのマンションの上階に住んでいた方の震災体験記でその方は助かったのは管理人さんのお母さんであるおばあちゃんと書かれています。
それが祖母のことと情報が錯綜した結果なのか、実はご近所の方が助け出されたのかもう今となってはわかりません。
一人でも多くの方が助かったのだと思いたいです。

外では徹夜で消防の方が声をかけ続けてくれたこと。
(でもヘリコプターの音でその声は祖母には届いていなかったようです)

親友と抱き合ったこと。
手をつないで歩いたこと。

外に出て唖然としてると、母の生徒さんが、走ってきて。
自分の家がもっともっと粉々になっているのにその中で炊飯器に残っていたご飯をおにぎりにして「うちは大丈夫だから!」って私のポケットにいくつも入れてくれたこと。

卒業資格の試験どころじゃなくなった私を一生懸命会議にかけて、卒業させてくれた担任の先生。

母の薬を一番早いからと言って、どこかで単車を買ってそれに乗って届けてくれた病院の息子さん

壊れた家の水の流れないトイレを「それでも女の子だから」とかしてくれたのに、余震で壁が崩れ悲鳴を上げながらも固まった私を引っ張ってくれた名前もわからないおばさん。

次々と耳に入る、友達、知り合い、近所の人の悲しい知らせ。

体育館に並ぶ悲しい風景。
出される小さな毛布。

何時間も歩いて芦屋中を探しだしてくれた仲良しだった友人。

恐怖で震えたことも、怖かったことも、守られたことも、励ましあったことも。
怒り。
ありがとうと言っても言っても足りない感謝の場面があったのも本当。

・・・・。
書き出したら止まらないです。
でもどんなに書いても足りない。

私にできることは、忘れないことだと思っています。
16年たちましたが年々、なんともいえない怖さは増えているような気がします。

あの震災以来、私はパジャマをほとんど着ないし。
こんな年齢になっても一人部屋で一人で寝れません。
一人で寝ることも何度かあるのですが、
家じゅうのテレビと電気をつけて朝まで一睡もしません。

それでも我が家は、父も母も、私も無事でした。
大切な家族を亡くした方はどんなにもっともっと何倍も何倍も苦しいやりきれない思いで今もいるんだろうと思います。

一瞬にして人生を奪われた友人・知人の冥福を祈るとともに、
その方たちに恥じない人生を歩もうと改めて自分に言い聞かせる日です。

今日テレビで「この日が終わらわないと一年が始まらない」と
言ってられた方がいましたが私もそうです。

震災で被災した方は、30万人以上だそうです。
30万通りの震災への思いがあります。
30万分の1の私ですが、これからもこうしてこの日をどこかでつづっていくことが、
いつ来るかわからない災害への心構えと、防災への備えのきっかけになれればいいなと思います。

10年後かもしれませんが明日かもしれません。
ぜひご家族と、大切な人と、お話ししてみてください。

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